ゴッホを知る
ゴッホはゴーギャンと2人で暮らしていたことがあります。
しかし事件が起ったのは、その日の夜のこと。
ゴーギャンは、のちに、こんなふうに回顧しています。
「夕方になると、私はいそいで食事をすませたが、ひとりで花盛りの月桂樹の香りをかぎに出たい欲望を感じた。
私は、すでにヴィクトル・ユゴー広場をおよそ通りすぎていたが、その時、背後に聞きなれた小刻みな足どりが、急に発作的に近づくのを感じた。
私はふりむいたが、その時フィンセントは、開いた剃刀を手にして私にぶつかってきた。
私の眼つきは、その時非常にきびしかったにちがいない。
彼は立ちすくんで顔をふせ、家の方へ走り去ったからである」。
家に帰ったゴッホは、左耳の下半分を切り取り、行きつけの娼家の、ラシェルというなじみの女にとどけました。
女は包みをあけて気絶し、大騒ぎとなります。